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アストラエアの丘には、聖ミアトル女学園、聖スピカ女学院、聖ル･リム女学校というお嬢様学校があった。聖ミアトル女学園に編入する蒼井渚砂はその初日に、女生徒の羨望と信頼を集める美少女･花園静馬と出会う。

慣れないお嬢様学校に編入して戸惑う渚砂。しかもエトワール様に迫られたことで、クラスメートの注目を浴びてしまう。友達になった寮の同室･涼水玉青に勧められ、渚砂は課外活動のクラブを探すことにするが…。

渚砂が暮らすことになった寮は通称･いちご舎と呼ばれる。ある日、玉青たちといちご舎の探検を始めた渚砂は、初めての場所を回り、感動する。だが調子に乗って遊んでいるうちに、会議中の部屋に飛び込んでしまう。

聖スピカ女学院に通う此花光莉は、学院のスターである乗馬部の鳳天音に憧れていた。聖歌隊に所属する光莉は、乗馬部の大会での活躍を祝す報告会で合唱することに。だが天音を前に緊張し、彼女はミスを犯してしまう。

ミアトル女学園には、下級生が上級生のお世話をする“お部屋番”という制度がある。渚砂と玉青の部屋のお部屋番になったのは、渚砂に憧れる1年生･月館千代。彼女は渚砂に気に入られようとして張り切るが…。

色々な部を見学する渚砂は、その途中で温室を見つける。そこはエトワール･静馬専用の温室だった。土を触った手を洗う渚砂に、ハンカチを差し出す静馬。渚砂はハンカチを返そうと、静馬の部屋へ足を運ぶが…。

スピカ生徒会長の冬森詩遠は、次期エトワール戦に天音を出場させたいと画策していた。だが、天音はエトワールの座に興味はない。一方、スピカの生徒会内には自分がエトワールになろうとたくらむ者がいる。剣城要だ。

雨に降られて立ち往生していた籠女は、通り掛かった渚砂から傘を借りる。だが籠女は名前を聞き忘れてしまい、誰に傘を返せばいいのか分からない。その話を聞いた千華留たちは、籠女の手伝いをしようと立ち上がる。

深夜のいちご舎の廊下で、光莉と夜々が女の子の泣き声を耳にした。その話を聞いた玉青は、文芸部の会誌に書く面白い記事になるかもと興味を持ち調査を始める。怖いものが嫌いな渚砂も取材を手伝うことになるが…。

苦手なフランス語を必死に勉強する渚砂。期末テストの成績が悪いと夏期講習を受けなければならないからだ。思うように勉強がはかどらない渚砂を見かねたのか、エトワールの静馬がフランス語の先生を買って出る。

夏休みになり、渚砂たちはサマースクールで海に向かう。渚砂の胸に募るのは、寂しさ。だが渚砂はそれがどこからくるものなのか、まだ気付いてはいない。静馬がエトワールの仕事が多忙で参加していないからだ。

サマースクールが終わり、いちご舎の寄宿生たちは2学期の再会を誓って1人ずつ去っていく。いちご舎に残ったのは、渚砂、静馬、六条ら数人だけ。静馬と六条はこの機会に、渚砂にフランス語の特訓を課そうとする。

2学期が始まり、スピカ生徒会は来るエトワール選に向け動きだす。詩遠の思惑と、要、桃実の思惑の違いが鮮明になっていく。生徒会の思惑など知らない光莉と天音は、日曜日に一緒に出掛ける約束をするが…。

ある事件がきっかけで、光莉と夜々の間に溝が生まれてしまった。渚砂は、夏休みに玉青のリボンをなくしてしまったことを思い出し、光莉と夜々を繋ぐ大事なものがあれば2人も仲直りできるのではないかと考える。

秋が近づき、ミアトル、スピカ、ル･リム、3校合同の文化祭も間近になる。いちご舎の寮生が参加し、中等部と高等部に別れて行う演劇は1番の目玉。さまざまな思惑が絡まり、事態は思わぬ方向へと転がっていく。

高等部の演目は「カルメン」に決まった。カルメン役には千華留。カルメンの恋人の闘牛士役には天音。だがリハーサルは混乱してばかりで、渚砂も舞台進行として走り回る。そして当日、波乱の舞台の幕が上がる。

千代の話から、エトワールとは本来2人組だということを知った渚砂。現在のエトワールは静馬だけ。ではもう1人は誰だろう。渚砂は気になるが、玉青は言葉を濁して答えない。六条にも同じことを尋ねるが…。

海沿いにある静馬の別荘へやって来た渚砂。渚砂と静馬は別荘の広大な敷地を歩き、話し、笑い、触れ合う。2人の気持ちは、徐々に寄り添っていく。そんな中、突然の嵐で渚砂と静馬は別荘に泊まることになり…。

静馬の別荘から1人でいちご舎に戻った渚砂は、そのまま倒れてしまう。渚砂の側についていた六条深雪は、気が付いた渚砂に2年前の真実を告げる。静馬の心に残る傷を知った渚砂は、悲嘆にくれてしまう。

静馬の過去を知り、自分との間に広がる溝を感じた渚砂は、自らの思いが届かないと絶望する。静馬も、渚砂を傷つけたこと、過去からの立ち直りができなかったことに、再び心を閉ざしてしまった。