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昭和58年の夏、文筆家の父・正明の都合で山間にあるニュータウン・嫦娥町に引っ越すことになった九澄博士。そんな博士のことを、私立嫦娥高等学校のクラスメイトはあり得ないくらいに歓迎してくれた。

クラスメイトから何か話をしてとせがまれた博士は、父から聞いた嫦娥狼の話をする。かなめは食いつくが、他の生徒は不自然な雰囲気になり、博士はこれを不思議に思う。放課後、かなめたちが博士の家を訪ねてきた。

博士たちは、一誠の運転で町から離れた清流に遊びにきた。釣りやバーベキューを一日中楽しむが、翌日、博士は体調を崩してしまう。かなめの意見により、博士は嫦娥医療センターへ診察を受けにいく。

図書室で調べ物を始めるかなめ。嫦娥町の民話や都市伝説について調べたいのだと彼女は言う。帰り道、五十鈴と別れたばかりの博士の前に、突然一誠が現れて強引にドライブへ行こうと言いだすのだが…。

大鎌を持った少女が起こした惨劇に遭遇した博士。昨夜の出来事が頭から離れず、目撃した現場に寄るが殺人の痕跡は全く残っていなかった。博士は学校で、嫦娥町に伝わる都市伝説についてかなめに尋ねる。

東京の大学に呼ばれた一誠が挨拶もなく街から去った。博士は「お兄は殺されたの」と言う五十鈴の言葉が気になっており、いつものように明るく過ごす彼女を、無理して元気に振る舞っているのではないかと心配する。

学校では五十鈴や眠など、何人かの席が空席になっていた。殺人鬼の正体が眠だったと知った博士はいまだに信じられない。そんななか、かなめから都市伝説調査の途中報告を受け、嫦娥狼の情報を得る。

賢木と会ってから、博士の脳裏には大鎌を持った眠の姿が焼きついて離れなくなり、学校でも自分を見つめている眠に恐怖を感じていた。そんなある日の下校時、博士は黒装束の謎の集団に囲まれてしまう。

博士と眠は賢木のわなで土蔵に閉じ込められ、眠は覚悟を決めて博士に嫦娥町と嫦娥狼に関する秘密を語る。一方、嫦娥町の秘密を知ったかなめは、博士と眠に危機が迫っていることを知り、正明と共に2人を捜し回る。

正明と重三の助けにより、博士と眠は無事に土蔵を脱出。一方、計画が失敗した賢木は、次なる計画として「八朔祭り」に目をつけていた。祭りの当日、賢木は、多くの神堕人が見物に訪れる祭りの会場で行動を起こす。

まさみは眠に粛清されるが、それでは事態の収拾はつかなかった。賢木が眠を糾弾して会場が騒然となり、それが波及し、神人と堕神人のいがみあいが始まった。やがて、賢木の真の目的が明らかとなる。

八朔祭の日に起きたあの事件から約1カ月が過ぎ、博士は嫦娥町で生きていくことを誓っていた。世間に神人のことをもっと正しく伝えたいと思う気持ちがあった。そんなある日、博士はかなめに呼び出されるが…。